2007年3月に特許商標事務所を開設した大阪の弁理士が、商標(トレードマーク)、化学・材料等の特許(パテント)、PCT国際出願等の知的財産についての豆知識、事務所記録を分かり易く発信するブログです。
Q. 商品のパッケージ等でよく見かける「特許出願中」や「特許申請中」との表示は、どういう意味ですか?
A. 「特許出願中」とは、特許庁に対して特許出願はしているが、まだ特許権が発生していない状態を意味します。
なお、特許出願のことが俗に「特許申請」と呼ばれることもありますが、特許庁に対する正式な手続名は「特許出願」です。そのため、「特許申請中」よりも、「特許出願中」の方が正しい表現です。
「特許出願」自体は、適式な書類や必要な図面を作成し、特許庁手数料(特許印紙又は現金)として16,000円を支払いさえすれば、簡単に行うことができます(※適式な書類や必要な図面を作成するのは簡単ではないですが)。
しかし、特許出願日から3年以内に審査請求をしないと、その特許出願は取り下げられたことになります。ちなみに、審査請求には、特許庁手数料として17〜20万円位かかります。
一方、期限内に審査請求をしても、近接する公知技術があれば、新規性なし又は進歩性なしとして拒絶される可能性もあります。
従って、「特許出願中」の状態では、将来的に特許権が発生する可能性があるだけで、特許権が既に発生しているわけではありません。
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Q. 1つの発明で一生食べていけますか?
A. いいえ、食べていけたとしても、その期間は最長で19年位です。
ヒット商品の発明について特許権を取得できたとしても、特許権の存続期間の終期は、特許出願日から20年です。
一方、特許権の存続期間の始期は、特許権の設定登録日です。
なお、特許権の設定登録を受けるためには、特許出願について審査請求をし、特許庁での審査をパスした上、3年分の設定特許料(設定登録料。特許の登録料金だけ「特許料」といい、実用新案、意匠、商標の登録料金は「登録料」といいます。)を特許庁に納付する必要があります。
特許出願から特許権の設定登録までは、出願と同時に審査請求をしても、早くても1年位かかるので、特許権の存続期間は約19年となります。
複数回の拒絶理由通知や拒絶査定不服審判等のために特許出願から特許権の設定登録まで約7年かかった場合、特許権の存続期間は約13年となります。
特許権の存続期間が満了した場合、その発明については、誰でも自由に実施できるようになります。
従って、ヒット商品の発明であったとしても、特許権が切れた後においては、自分だけが独占排他的に実施したり、ライセンスを供与していた他人からライセンス収入を得たりすることができなくなります。
ちなみに、特許出願から特許権の設定登録までの間でも、契約による事実上のライセンス供与は可能です。
また、出願公開(原則として特許出願日から1年6カ月経過後)から特許権の設定登録までの間における他人の悪意の実施に対しては、一定要件下、特許権の設定登録後において、ライセンス料(実施料)相当額の補償金の支払いを請求することも可能です。
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Q. ホームページ等でよく見かけるのですが、ソフトウェア名などの右上や右下に付いている「TM」のマークは一体何ですか?
A. 「TM」のマーク〔ホームページ等では「(TM)」と表示されていることもあります。〕は、一般的に「てぃーえむまーく」と呼ばれており、それを付けた商品名が「trademark (トレードマーク) = 商標」であることを意味しています。
このTMマークは、一般的に、商標登録出願(いわゆる商標申請)をしているか否かにかかわらず、未登録の商標に使用されています。一方、登録商標(商標登録済みの商標)には、一般的に、「Rを丸で囲んだマーク」 = (R)〔あーるまーく〕が使用されています。
なお、TMマークは、日本国の商標法に基づく商標表示ではなく、米国(アメリカ合衆国)の商標法にならって、商標であることを示すために慣習的に使用されているようです。そのため、TMマークは、商品名の右上の他、右下や右横にも付けられることがあります。TMマークがいつ頃から、誰によって使用され始めたかについては、不明です。
同様に、ホームページ等でごくたまに見かける「SM」マークは、一般的に、「えすえむまーく」と呼ばれており、商標登録出願(いわゆる商標申請)をしているか否かにかかわらず、それを付けた役務(えきむ)〔サービス〕名が未登録の「service mark (サービスマーク)」であることを意味しています。
但し、日本国の商標法においては、商品について使用する商標を「商品商標(直訳:goods trademark)」とし、役務(サービス)について使用する商標を「役務商標(直訳:service trademark)」としています。役務商標は、一般的に「サービスマーク」と呼ばれていますが、日本国の商標法では「サービストレードマークの略」ということになります。従って、日本国で未登録の役務商標であることを示す場合は、TMマークとSMマークのどちらを使用してもよいと思われます(私見)。
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Q. 商品のパッケージやホームページ等でよく見かけるのですが、商品名などの右上や右下に付いている「Rを丸で囲んだマーク」は一体何ですか?
A. 「Rを丸で囲んだマーク」〔ホームページ等では「(R)」と表示されていることもあります。〕は、一般的に「Rマーク(あーるまーく)」と呼ばれています。
このRマークは、それを付けた商品名又は役務(サービス)名が「Registered Trademark = 登録商標」であることを意味しています。
ここで、登録商標とは、経済産業省の外局である特許庁での審査をパスした上で、「商標登録を受けている商標」をいいます。審査を受けるには、特許庁に対し、商標登録出願(商標登録願を提出すること。いわゆる商標申請又は商標登録申請。)をする必要があります。
Rマークは、日本国の商標法に基づく商標登録表示ではなく、米国(アメリカ合衆国)の商標法にならって、登録商標であることを示すために便宜的に使用されているもののようです。そのため、Rマークは、商品名や役務(サービス)名の右上の他、右下や右横にも付けられることがあります。Rマークがいつ頃から、誰によって使用され始めたかについては、不明です。
ちなみに、日本国の商標法に基づく商標登録表示をする場合は、『「登録商標」の文字及びその登録番号又は国際登録の番号』 = 「登録商標第XXXXXXX号」等となります。但し、日本国の商標法に基づく商標登録表示は、絶対的な義務ではないので、しなくても問題ありません。
しかし、日本国で商標登録を受けていない商品名や役務(サービス)名にRマークを付けた場合は、一概には判断できませんが、どちらかと言えば「虚偽表示(刑事罰の適用あり)」に該当する可能性の方が高いと思われます(私見)。
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Q. 「東京特許許可局」は、東京都内にあるのですか?
A. いいえ、東京都内にはありません。というよりも、「東京特許許可局」という機関は、実在しません。
早口言葉で有名な「東京特許許可局」という言葉の起源は不明ですが、「その昔(1934年?)、NHK(日本放送協会)のアナウンサー採用試験のために考案された。」という説があるようです。
日本国で特許権(いわゆるパテント)を取得するためには、経済産業省の外局である「特許庁」に対し、特許出願(特許願を提出すること。いわゆる特許申請。)をする必要があります。
なお、特許庁で審査を受けると、先行技術の有無等により特許付与が「許可(特許査定)」されることもあれば、「拒絶(拒絶査定)」されることもあります。審査を受けるには、特許出願の日から3年以内に、別途、「出願審査請求」の手続が必要です。
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Author: 弁理士 奥 佳晃(おく よしあき)
・大阪にある化学・材料特許商標事務所OKUの代表。
・2007年3月に特許商標事務所を開設し、顧客ゼロからスタート。
・知的財産実務経験:13年(2007年4月現在)。
・特許調査、化学・材料分野の特許出願(特許申請)等の他、商標の調査・出願(商標申請)にも注力。